リウマチ因子(RF)陽性

更新　2021/2/22

RFとは

リウマチ因子(rheumatoid factor；RF)はリウマトイド因子とも呼ばれ、IgG-Fcに対する自己抗体であり、関節リウマチをはじめとする様々な膠原病と関りが深い免疫グロブリンです。

「免疫グロブリンG(IgG)高値」のページでも触れていますが、免疫グロブリン(Ig)にはIgG、IgA、IgM、IgD、IgEの5種類が存在します。それぞれのIgはその幹の部分(定常領域)が共通で、先端の部分(可変領域)がターゲットの形に合わせて変化したものがリンパ球(B細胞)によって作られます。

RFの特徴

リウマチ膠原病の診断においてはほぼ必ず、人間ドックでもしばしば測定されるRFですが、関節リウマチに対する感度は70～80%、特異度は80〜90%ほどです。わかりやすく言うと「RFは関節リウマチ患者さんの70～80%で陽性になり、関節リウマチではない人の10～20%で偽陽性となってしまう」です。また発症早期にはRFが上昇していないこともあるので初期の陽性率は70%以下になります。
つまりRFは関節リウマチ患者さんの20～30%ではずっと陰性のままであり、また発症早期の患者さんでは30%以上が陰性になる、ということです。したがってRF陰性であっても関節リウマチを否定する根拠にはなりません。これが第一に重要な事実です。関節が痛かったので血液検査をしたところRFが陰性だったからリウマチではない、とは必ずしも言えないのです。関節痛や関節腫脹が続く場合はRF陰性であっても納得いくまで調べてもらうようにしましょう。

RFでもうひとつ重要なことはRF陽性の受けとめ方についてです。
RFは抗CCP抗体が関与する炎症を増強するとの報告もあり、関節リウマチ患者さんにおいて「RF陽性であること(特に高力価のRF陽性)」は抗CCP抗体陽性とともに関節リウマチの予後不良因子のひとつと考えられています(「予後不良」とは「関節リウマチの病勢が強く将来的に関節破壊が進行しやすい」という意味です)。とは言ってもしっかり治療して寛解に持ち込めばいくらRFが高値であろうと関節破壊は生じませんので、過度の心配は不要です。