免疫グロブリンG(IgG)高値

更新 2021/2/8

体内におけるIgGの位置づけ

人間の体重の約8%を占める血液は、約55%の血漿と約45%の血球に分けられます。血漿のほとんど(約90%)は水分であり、約8%が血漿タンパクと呼ばれるもので、血液検査では総蛋白(TP)の項目で示されます。総蛋白はアルブミン(約60%)とグロブリン(約40%)の二つに分かれます。
グロブリンの半分ほどが、免疫グロブリン(immunoglobulin;Ig)という感染防御を担う物質であり、「抗体」と呼ばれるものです。
免疫グロブリンは5種類(多い順でG、A、M、D、E)に分類され、免疫グロブリンG(IgG)は全体の約75%を占めています。

IgGの役割

IgGは5種類の抗体の中で最も多く血液中に存在し、体内に侵入した異物(微生物や毒素など)に結合して、それらの働きを直接抑えたり、白血球がこれらを取り込む作用(オプソニン化)を強化することで体を防御します。予防接種の効果も主にIgGによるものです。

IgGの構造は共通の部位(定常領域:イラストのピンク部分)と、抗原ごとに形が変わる部位(可変領域:イラストの黄色部分)に分かれています。一度体内に侵入した病原菌に対しては構造の一部にフィットする可変領域を備えた専用の抗体(IgGは2週間ほどかかる)が作られ、その病原菌から体を守ります。

まだ罹ったことのない感染症や、以前罹ったものの抗体が十分作られなかったあるいは維持できなかった感染症でワクチンが存在するものについては、予防接種を受けることによりその抗体を体内で作ることができます。子供の頃に受ける一連の予防接種や大人になって受ける肺炎球菌、帯状疱疹などの予防接種がそれです。

左の抗原に対する免疫グロブリンG(IgG)
  

IgG自体の半減期(体内で半分に消失する期間)は約3週間程度なので、外から入れただけだとすぐ効果が切れてしまいます。これに対し、感染症に罹ったり予防接種で直接体内の免疫細胞(メモリーB細胞)に病原菌の形を記憶させた場合は体内で抗体を作り続けられるため、長い期間抗体を維持することができます。

IgGとリウマチ膠原病

血液検査においてこのIgGが高値であると指摘された場合、膠原病をはじめとした自己免疫疾患、感染症(初期を除く)、慢性肝炎、多発性骨髄腫などが疑われます。

IgG高値になる膠原病とは、要はIgG型の抗体が産生される病気なので、抗核抗体関連の膠原病(全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、皮膚筋炎/多発性筋炎、全身性強皮症、混合性結合組織病)がまず挙げられます。その他に関節リウマチ、IgG4関連疾患、サルコイドーシスなどが挙げられます。
関節リウマチの代表的な抗体である抗CCP抗体は主にIgG型であり、RF(リウマチ因子、リウマトイド因子)はIgM型が主ですがIgG型も存在します。
IgGは細かく分類するとさらに1~4型まで4つのサブクラスが存在しており、IgG4関連疾患はこの4型のみが上昇する病気ですので、IgGも高値となります。
また、サルコイドーシスの一部でもIgGが高値となる場合があります。

IgGが高値である場合には、以上のような病気が隠れている可能性があるため、無症状であっても放置せずに一度は精査を受けてみましょう。

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清水 久徳
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