痛みについて

更新 2021/1/27

痛みとは

痛みとはなにか。もちろん皆さんご存知のズキズキ・チクチクするようなあの感じですが、定義は意外と難しく、時代によってとらえ方が変化しています。

国際疼痛学会(IASP)による定義が2020年7月、約40年ぶりに改訂されました。 「An unpleasant sensory and emotional experience associated with, or resembling that associated with, actual or potential tissue damage.」と表現され、日本疼痛学会による日本語の定義は「実際の組織損傷もしくは組織損傷が起こりうる状態に付随する、あるいはそれに似た、感覚かつ情動の不快な体験」です。
難しくてピンとこないですが、一言で表すと「“感覚と情動の”不快な体験」です。砕けた言い方をすると、「(痛みの)あの嫌な感覚と、そのときに生じる嫌な気持ち」です。
要するに痛みには「体」と「心」の2通りの感じ方があるということなのです(脳の主な活動領域が体性感覚野、大脳辺縁系とそれぞれ異なります)。

「体」の痛み(体性感覚野)
「心」の痛み(大脳辺縁系)

慢性疼痛とは

「治療に要すると期待される時間の枠を超えて持続する痛み」を慢性疼痛と呼び、3~6ヵ月以上続いている状態を指します。

生じて間もない痛みは「体」で感じる痛み(感覚としての痛み)が主ですが、時間経過とともに(数ヵ月で)減っていく傾向にあります。それに対し「心」で感じる痛み(情動としての痛み)は時間経過とともに増えていき、慢性疼痛ではこの情動としての痛みが主となっていきます。

痛みによって不安や恐れを感じるのは当然ですが、自身の痛みについて何度も考えてしまう、痛みを過度に恐れてしまう、痛みに対する無力感に苛まれる、など破局化と呼ばれる状態が強い場合には、より痛みを感じやすくなる悪循環に陥ってしまう可能性があります。ですから、数ヵ月経っても自然に消えない痛みに対しては、この悪循環を生じる前に診断・治療を開始し、できるだけ痛みを治す・弱める、それができないときは少なくとも放置すると手遅れになるような病気・状態ではないと評価を受け不安を取り除くことをお勧めします。

痛みとの向き合い方

痛みは主観的・個人的なものであり、その感じ方(受け止め方)にも個人差があります。ですから「検査で特に異常がないので治療すべき病気はない(治療しない・できない)」という医師の言葉は説明としては不十分であり、「自分(説明する側の医師)が治療できる病気はない」と伝えるべきもので、患者側としてもそのように受け止めなければいけません。そうでないと痛みで苦しんでいる患者さんは自分の症状は病気に満たない取るに足らないものだと医療者に見放された認識に陥ってしまいます。

痛みの原因疾患がはっきりしない場合でも、治療可能な場合は多々ありますから、諦めないでいただきたいと思います。

TEL
03-3541-2323予約制
院長
清水 久徳
診療内容
リウマチ科、内科、アレルギー科
住所
〒104-0044
東京都中央区明石町11-15 ミキジ明石町ビル2階
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