医療機関で渡される処方箋やお薬手帳に書かれている薬の名前が、いつもと同じもののはずなのに、違っていて戸惑った経験はないでしょうか。
薬を示す名称は大きく二通りあります。ひとつは「一般名」で、もうひとつが「商品名」です。
一般名とは薬の主たる有効成分(主成分)の名前であり、その成分を表す化学式とセットでひとつしかありません。これに対して商品名とは製薬会社がつけた名前であり、主成分(一般名)を、どのような形で(剤型)、どれくらい含み(含量)、どのように飲むか(服用方法)、どういう病気・症状に対して用いるのか(効能又は効果)、などで同じ主成分の商品であっても違いがあります。例えばジクロフェナクナトリウムという一般名ではボルタレン錠とボルタレンSRカプセルのように剤型・含量・服用方法が異なりますし、シルデナフィルという一般名ではレバチオとバイアグラのように効能・含量・服用方法が異なります。
そして処方箋を発行する際に薬を【ジクロフェナクナトリウム(一般名)】【錠(剤型)】【25mg(含量)】【3錠分3毎食後7日分(服用方法)】のように一般名で記載する方式を一般名処方といいます。一般名・剤型・含量が同じである先発医薬品と後発医薬品(ジェネリック)が複数ある場合には、医師側が先発医薬品を指定しない限りは、患者さんと薬剤師で相談して商品を選択することになります(ジェネリックについては、治療費についてのご相談(ジェネリックを使いたい、バイオシミラーを使いたい)のページを参照)。